知っておくと役に立つ応急処置

民間療法?には迷信が多いので注意しましょう。

出血

人間の全血液量は約80cc/体重1kgあるといわれています。そしてその1/3以上を一時に失うと生命の危険があります。
すり傷などを負ってほおっておくと、出血や細菌感染の危険性があります。
 

出血の種類

出血には大きく3種類にわかれます。
まず、じわじわと血がにじみ出る。ちょっところんだ時などに出血するものですが、これは毛細血管から出血していることを意味します。
そして、もっとひどい出血で、あふれ出る出血は静脈からの出血、さらに血がぴゅーっと噴出している場合は、動脈からの出血で危険です。
 
 
 

傷の手当

傷の手当をする時は、出血を止める、痛みをとる、感染を防ぐことが大切です。出血が止まったら、汚れた傷口をきれいにし、
包帯などで傷の表面を保護します。どんな傷でも細菌感染の可能性はあります。放っておかないで医療機関へ。

〇 軽く切った位の傷ならば、傷口についたばい菌を出すために、少し出血させてから手当する。
〇 傷口が汚れている場合は、きれいな水で洗う。
〇 化学薬品や酸・アルカリ等で汚れた場合は、必ず流水で洗う。
〇 傷口には、清潔なガーゼを当てて包帯する。汚れたものや消毒していないもので直接傷口には触れない。
〇 患部を心臓より高くすることによって止血作用が働く。

ガーゼがない場合は、ハンカチなどをライターなどであぶってから使用します。ティッシュなど繊維質のものは、傷口にせんい質が残るので
用いないようにしましょう。
 
 

止血の仕方

手足ならば傷口を心臓より高い位置に上げます。心臓よりも上にすることによって、心臓より血液が行きにくくなるため、これだけでも止血の効
果があります。昔、両手首を切断された女性が手を高く上に上げ、何時間もさまよった末、奇跡的に助かったという事例があります。
 

止血の方法1:直接圧迫止血

出血している部位に直接ガーゼや清潔なハンカチなどを当てて押さえます。
患部を高い位置にもってくることをお忘れなく。約90%は直接圧迫止血で止血できるそうです。
 
 

止血の方法2:間接圧迫止血

直接圧迫止血では止まらない時や、傷口が汚れていて直接圧迫止血が出来ない時などに行ないます。
止血方法は、出血部位(ケガをしている部分)より心臓に近い動脈を押さえます。例えば、指を切ってしまったら指と指の間の根っこの部分を
押さえ、腕からの出血ではわきの下の動脈を押さえます。押さえた時に押さえた指にどくどくと感じるでしょう。また確認方法として、押さえて
いる腕の脈を取ると、止血できていたら脈は止まっています。
 
 

止血の最終手段:止血帯

傷病部位が切断、及びそれに近い状態など最終手段として用います。決して安易に用いないで下さい。
出血している部分から3cmほど健康な皮膚を残して幅5cmほどの布を巻きます。これをきつく縛ります。止血帯の間に棒などを入れ、
これを回転させることによって止血効果が高まります。止血帯をかけたら、止血帯をかけた時間、「どの部分をけがしたか」などを書いた物
を挟んでおきましょう。口紅等で額などに書くのもひとつでしょう。また、一端かけた止血帯は、医師に解いてもらうまでかけておくようにしま
しょう。
 
 

熱傷(やけど)

熱湯、炎、蒸気などにふれて起こります。
熱傷した部分が成人の場合は20%以上、子供・高齢者では10%以上で重症で、治療を急がなくてはなりません。

程度は
 
第1度 赤くなり、ひりひり痛む(表皮のみ)
第2度 はれぼったく赤くなり、水ぶくれになるところもある。
焼けるような感じと痛み(真皮まで)
第3度 乾いて弾力性がなく、蒼白になったりこげる。
痛みや皮膚の感じがわからなくなる

手当

1. すぐに冷やす

 水道水などで冷やす時は、患部に直接強い水圧をかけないように注意する必要があります。痛みが取れるまで充分冷やしましょう。
 大量の水がない時には濡れタオルを患部に当てて冷やします。子供、高齢者では、体温が36℃以下にならないように注意します。
 水ぶくれはつぶさないこと(細菌感染を防ぐ皮膚の働きは残っています)。

2. 患部をおおう

 充分に冷やした後、細菌感染を防ぐために、滅菌ガーゼや清潔な布で患部を軽く覆います(ここでも繊維性のものはつかわないように
 しましょう)。このときにミソやアロエなどを塗らないようにしましょう。
 軽く覆った後に、上から氷水を入れたビニール袋などで冷やします。手足であれば患部を高くします。

3. 衣服の上から熱湯をあびた時

 直ちに衣服の上から水をかけるか、衣服のまま水の中に入り、冷やします。冷やした後に服を脱がせますが、脱がせることが困難な
 場合は無理に脱がせず、はさみ等で切り開きます。衣服が皮膚に引っ付いている場合はそのままにして医療機関に運びます。
 

頭のけが

1. 出血があるとき

 頭部や顔面はもともと血流の豊富な場所。見た目は大量の出血に見え、びっくりしてしまいます。冷静に。
 出血がひどい場合は、すぐに救急車を呼び、清潔な布で直接圧迫止血をします。止血をしたら包帯を巻いて医療機関へ。
 注意  鼻や耳からの出血は危険な状態です。早急に医療機関へ。

2. こぶができているとき

 打撲すると皮膚の下の血管から出血したりして皮膚が盛り上がってこぶになります。打撲によるこぶは冷やすと治ります。但し、
 冷やし過ぎないように気をつけましょう。打撲していてこぶがなかった場合でも医療機関へ。
 
 

眼のけが

目はデリケートな部位の一つです。角膜を傷つけると視覚障害を起こす危険があるので、眼科医の診療を受けさせましょう。

異物が入った

〇 目をこすらないで、清潔な手で下まぶたを下に引っ張って、異物があれば、濡らした綿棒やガーゼの端で軽く拭い取る。
  乾いた布などでこすらないこと。
〇 清潔な洗面器などに水を入れ、顔をつけて瞬きする。
〇 いつまでもゴロゴロするときは、ガラスや鉄の破片の細かい粉が刺さっている場合があるので、医師の診療を受けること。

薬品が入った
できるだけ早く多量の水で洗い流す。顔を横に向け、薬品を流した水が反対の眼に入らないようにする。水道水をちょろちょろ流したり、コップ
ややかんを使って静かに水を流して洗う。

物があたった
ボールがあたったり、何かの拍子で眼を強く打ったときなどは、失明する恐れもあります。
また、側頭部を強く打った場合には、網膜剥離の心配があります。
〇 すぐに横に寝かせ、水で濡らしたタオルなどで冷やす。
〇 目の周りの腫れがひどくなったり、目の中が出血しているときには、できるだけ安静にして医療機関へ。
〇 傷病者を起こして歩かせないようにしましょう。
 
 

鼻のけが(鼻血など)

鼻血がでた
鼻は、鼻中隔という軟骨から左右にわかれます。鼻中隔は毛細血管の走る粘膜で覆われており、普通他の部分の毛細血管は組織に取り
囲まれて保護されていますが、鼻中隔ではむき出しに近い状態だそうです。特に鼻の入り口付近は毛細血管が集中しており、ほとんどの
出血場所はここだそうです。

〇 小鼻を強くつまみ、あごを引き、口で息をして安静にする。額から鼻の部分をぬれたタオルなどで冷やす。
〇 けっしてうなじを叩いたりしない。効果は無いのはおろか、頚椎損傷のおそれがあります。また、頭を後ろにそらせると、温かい血液が
  喉に回り、飲み込んで気分が悪くなることがあるのであごを引かせるようにしましょう。
〇 脱脂綿は繊維が鼻の中に入り、傷口がふさがらず再出血のおそれがあり、化膿の原因にもなるので、詰めないようにする。
〇 頭を打ったとき、鼻や耳から半透明の液体が出ているときは危険な状態なので安静にして直ちに医師の診療を受けること。
 
 
 
 

虫に刺された!

蜂などに刺された!
〇 蜂に刺されると痛みと腫れが起こります。蜂に対してアレルギーのある人だとひどい場合は呼吸停止に陥ることもあるそうです。
  頭痛、冷や汗、吐き気、震え、下痢、胸が苦しい、目の前が暗くなる、気が遠くなるなどの症状が出たらすぐに医療機関へ。
  首や頭を刺されると毒が全身に回りやすいので、要注意です。
  蜂にはいろんな種類がありますが、顔が黄色いスズメバチは、何回も刺すそうです。
  手当 針が残っているものは毛抜きなどで抜きましょう。
  蜂(ミツバチ)はお尻の部分に毒袋を持っており、うっかりつまんでしまうとかえって毒を注入してしまう結果となってしまいます。
  針を抜いたあとは、刺された部分を水で洗います(水溶性の毒を洗い流すことで、血管を収縮させて毒のめぐりを抑える)。
  冷湿布をして、医療機関へ。アンモニアを塗るのはだめ。蜂の毒は、アンモニアでは中和できません。
  蜂(ミツバチ)はヒスタミンを含んだ液を出すので、抗ヒスタミン剤を塗布します。

毛虫に刺された!
○ 毛虫の毛はガムテープなどでとると取れるそうです。手当は上二つと同じく、水で洗って、冷やしたり、冷湿布などをしましょう。

アブ、ブヨ、蚊、ノミ、ダニに刺された!
〇これらの虫は、蟻酸を出すのでアンモニア水が有効です。

● 予防策 ●
○ 蜂などは不用意につぶしたり巣を叩いたりしない。
○ 衣類などで肌を覆うようにする。
○ 匂いの強い化粧品、派手な色の服は避けたほうがよい。
 
 

ヘビにかまれた

毒のないヘビは人をみれば逃げることが多いのですが、逃げないヘビは毒へビの可能性があるそうです。
日本に生息する毒蛇は「マムシ、ハブ、ヤマカガシ」の3種です。
また、海中には「ヒャン、ハイ、ウミヘビ」などがいます。マムシによる被害は年間約1000件、死者も数人出るそうです。
 
 
マムシ 体長45〜60cm。茶色で銭型模様がある。かまれると激痛を感じ、次第に大きく腫れてくる。
ハブ 体長1〜2m。激痛、腫れ、出血、組織の壊死など。夜間は木の上にいることが多い。
ヤマカガシ 体長1m前後。関東では黄色や赤、黒などが混じったまだら模様。関西ではやや地味で模様は薄く、緑、茶色、灰色など。蛙を餌にするので水田に多い。数時間後に突然傷口から出血し、目、皮膚や粘膜からも出血する。
ヒャン・ハイ 体長30〜40cm。強い神経毒をもつ。かまれる危険性は少ない。
ウミヘビ類 痛み腫れは少ないが、筋肉細胞の壊死が起こるので、呼吸困難などの危険性あり。

 

手当
○ 安静にして、走ったりしない(身体を激しく動かすと循環が促され、毒のまわりも早くなる)
○ 指先などの場合、口で毒を吸い出す。血の味がするだけで毒とはわからないが、少しでも身体に回る毒を減らす。
○ 手足であれば、傷口より心臓に近いほうを縛り、(勇気があれば)ナイフやかみそりの歯で皮膚の牙の跡を1cmほど切り、毒を吸い出す。    救助者は吸い出したあとは直ちにうがいする。また、切った傷口から細菌が入らないように注意する。
○ すぐに医療機関へ
 
 

その他の動植物による害

ウルシなど
 樹皮の分泌液に触れただけで皮膚が赤くなり、水泡、かゆみ、頭痛、発熱などが見られます。
 できるだけ早く石鹸と水で患部をよく洗いましょう。

クラゲ
 盆明け頃から海に出るといわれるクラゲ。毒クラゲには長い触手があり、触れると激しい痛みがあり、ミミズ腫れ状態になります。
 水泡にもなりやすいです。ひどい時には全身のだるさ、しびれ、筋肉の痙攣、ショックなどを起こします。
 手当としては、皮膚についた触手を取り除くために水で洗い流します。そして冷やして医療機関へ。呼吸困難などを起こしていたら、
 人工呼吸などの手当も必要になってきます。
 
 
 

凍傷

冬山登山やスキーなどで。
皮膚の温度が下がると血液循環が悪くなります。皮膚が凍結点(−4℃)以下に2〜3時間さらされると凍傷が起こります。
凍傷部分は白色で冷たく、かたくなります。感覚がなくなり、全身も冷えて低体温の状態になります。温めると強い痛みを生じます。

衣服が濡れていたら乾いたものに着替えさせ、暖かい部屋で40〜42℃のお湯につけて15〜30分ほど温めます。患部が温まったら布でくる
み、医療機関へ。直接患部を火に近づけたり、マッサージしないようにしましょう。また、煙草もいけません(血管の収縮が起こります)。
 

骨折

骨にひびが入ったり、折れたりすることです。骨折には皮膚の中で折れている皮下骨折と、骨が皮膚を突き破っている開放性骨折(複雑骨折)
に分かれます。開放性骨折の場合は骨が直接外気に触れるため、感染の危険性が高いです。また、小さなお子さんは骨がやわらかいため、
竹が折れるときのようにしんなりと曲がるような骨折をする時があります。これが「若木骨折」です。
 
 
 

骨折はどうしたらわかる?

骨折すると
○ 腫れる
○ 普段曲がらない方向に曲がっていたり変形していたりするる
○ 皮膚の色が変わる
○ 骨折部分から先が動かせなくなる
○ 動かさなくても痛い
という特徴があります。
 
 

手当

骨折は一ヶ所だけとは限りません。全身をしっかりと観察しましょう。骨折しているかどうかわからないときはまず骨折を疑います。
そして、骨折している部分を動かしたりせず安静にし、ダンボールや雑誌などで動かないように固定します。
固定後はうっ血しないように患部を高くしておきます。また、血行障害を起こしやすいので固定具合をチェックする必要があります。
傷がある場合は傷口は洗わず、清潔な布やガーゼをあてます。
また骨折部を元に戻そうとしてはいけません。神経や血管を傷つける恐れがあります。
普段曲がらない方向に曲がってしまっている場合は、そのままの状態で固定します。あとは医師にまかせましょう。
 
 

脱臼

関節が外れたもので、顎、肩、肘、指に起こりやすいです。きちんと治しておく必要があります。
自分で元に戻そうとしないで、固定し、そのままの状態を保つようにし、医療機関へ。
 
 

捻挫

関節が外れかかって戻ったもので、手足首、指、膝に起こりやすいです。骨折を同時に起こしている場合もあります。
患部を冷やし、もんだりさすったりしないで患部を高くします。そして医療機関へ。
 
 

打撲

外に見える傷がない場合でも内部に損傷を伴っていることもあるので注意します。特に頭・胸・腹の打撲は内臓損傷、内出血の危険性がある
ので軽く見ては行けません。
手当としては、原則としては冷やします。初期には動かしたり、温めたりすると内出血や腫れをひどくしやすいので注意します。
 
 

突き指

固いものを指先で急激についた時や、球技中にボールが指先にあたったときなどに起こります。単なる打撲などの場合もあるが、骨折や腱の
断裂などを伴っていることもあるので軽く考えてはいけません。「突き指は引っ張ったら治る」は迷信です!
可能ならば患部を高くして、まずは冷やして、固定し、医療機関へ。
 

意識を失った

脳卒中、てんかん、頭部損傷、中毒、血をみたショックなどでおこります。生命に関わる場合が大いにありますので、急いで医師に見せましょ
う。そして、次の点に注意してください。

○ 原因が何であるかを探すこと。
○ 頭を打っていないか、傷や出血はどうか、睡眠薬を飲んでいないかを確認する。
○ あわてて揺り動かしたりしない。水をかけたりして目を覚まさせるというのもNG。
○ 気道の確保をする。上向きに倒れている場合は横向きにする。喉が落ち込まないようにする。
○ 呼吸が止まっていたら直ちに人工呼吸をする。
○ 保温を忘れずに。
 
 

脳卒中

脳の中の血管が破れたり、血管の中に血の塊ができて、脳の血液循環が悪くなっておこります。急に意識を失ったり、呼吸が不規則にな
ります。アルコールくさいからといって、アルコール中毒と決めつけないように注意しましょう。

○ 意識がなければ気道を確保、呼吸が止まっていれば人工呼吸をする。
○ 水平に寝かせる。顔が赤い時は上半身をやや高めに。
○ 衣服を緩め、楽に呼吸ができるようにし、保温する。
○ 吐き気があれば横向きに。
 
 

脳貧血

脳に行く血液の流れが一時的に少なくなって起こります。顔色が青くなり、冷や汗をかき、皮膚が冷たくなります。めまいや、気が遠くな
り、手足の感覚がなくなるような感じがします。

○ 水平または足の方を高くして寝かせる。
○ 気道を確保できる体位で、衣服を緩め、保温する。
○ 倒れた時にケガをしなかったかを調べる。

* めまいが起きそうになったら、すぐ横になるか、しゃがんで頭を少し下げていると良くなることがあります。
 
 

心臓病

狭心症や心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養を送っている血管(冠状動脈といいます)に突然異常が起こり、血液の流れが悪くなったり、止まっ
たりして起こります。蒼白になり、胸を押さえてうずくまるか、ばたっと倒れ、呼吸困難になります。

○ 意識があれば、あわてずに座った楽な姿勢をとらせる。
○ 呼吸が止まっていれば気道確保し、人工呼吸をする。脈がなければ、心臓マッサージをする。
○ 全身を保温する。
○ 意識が鈍っていたり、吐き気がある場合には水分を与えない。
 
 

けいれん(ひきつけ)

てんかんや乳幼児の発熱によることが多いのですが、希に重い病気が原因のこともあります。意識がなく、呼吸困難となり、顔色は青くな
ります。大体1〜2分間、長くても5分以内でおさまります。

○ 衣服を緩め、楽に呼吸ができるようにする。
○ 嘔吐物などで窒息しないように、横向きに寝かせ、保温する。
○ あわてて大声で呼んだり、揺り動かしたり、無理に押さえつけないようにする。
○ 口に割り箸などを入れない。舌や口内を傷つけたり、呼吸困難を起こすことがあります。
○ どんなけいれんか、いつ、どんな所でなどを医師に報告する。
 
 

腹痛

原因も症状も様々です。
○ ベルトを緩め、本人の最も楽な姿勢で寝かせる。
  横向きで膝の方に曲げたり、上向きで膝を曲げて立てた体位にすると楽になることがある。
○ 誤った手当は症状を悪化させるので、必ず医師の診療を受けさせる。
○ 腹を温めたり、冷やしたり、下剤や飲食物を与えない。
○ 腹痛の部位、程度、時間を医師に報告し、吐いた物などがあれば見せる。
 
 

発熱

体温は、年齢や人によって多少の差がありますが、午前中よりも午後の方がやや高いことが多いものです。熱そのものでは危険が少なく、
身体の異常の知らせとして大切です。
最近は低体温の方が非常に多くなってきました。熱があるかないかは平常時の体温との差を考えましょう。
また、医療機関に行ったとき、低体温の方は必ず平常時の体温を言いましょう。
37度でも高熱と考えなければならないケースがあり、診療のミスにつながります。

○ 悪寒や震えあれば全身を保温する。
○ 解熱剤でむやみに下げると、診断の妨げになるので、頭や頸の両側を冷やして、医師の診断を受ける。
 
 

乳幼児の発熱

乳幼児の体温は成人よりやや高めで、37.5℃くらいまでなら心配は要りません。乳幼児は熱を出しやすく、厚着させただけでも熱を出すことが
あります。
風邪による発熱や、他の重い病気の場合もあるので注意が必要ですが、あまり神経質にならないで、頭部や頸部、わきの下に氷のう
をあてて冷やし、医師の診療を受けましょう。
 
 

ガス中毒

ガスによる中毒の場合、救助者の安全確保についても十分な注意が必要です。ガスの充満した室内に救助に入る時は、できるだけ複数の人
で安全を確認してから行うようにしましょう。また、爆発の危険も考えて室内では電気のスイッチに手を触れないようにします。静電気の火花で
も爆発が起こりうるので、異常乾燥時には注意が必要です。

〇 入り口を広く開き、室外の新鮮な空気を肺一杯に吸い込み、息を止めて室内に入り、窓や扉を開き、外に顔を出して呼吸をする
か、一度外に出る。
〇 新鮮な空気のところに傷病者を運び出し、衣服を緩める。
〇 呼吸が止まっていたら人工呼吸をする。
〇 体を起こしたり、ゆすったりすると吐く事があるので、静かに運ぶ。
 
 

一酸化炭素(CO)中毒

ガスや灯油などの不完全燃焼が原因でおこり、死に至ることがあります。燃焼器具は正しく使い、正常に作動していることを確認し、十分な換
気を心がけることが大切です。密室した室内でCO中毒と酸素欠乏が一緒に起こることが多く、頭痛、吐き気、耳鳴り、めまい、意識障害が
起こり、呼吸困難となります。また、意識より先に手足の神経が麻痺してしまい、途中で中毒に気づいても手足がきかないことがあ
ります。また、塩素ガスによる急性中毒は、CO中毒のように麻痺作用がなく、まず眼、鼻、喉に刺激的な症状があらわれるので、
すぐにその場から避難することです。

*CO中毒者への人工呼吸は、ポケットマスクなどの器具を使いましょう。ハンカチ一枚でも…。
 
 

その他の中毒

化粧品、洗剤、塗料や接着剤からの揮発性物質、麻薬、薬品などを食べたり、飲んだり、皮膚から吸収したり、肺に吸い込んだり…。傷病者
自身や目撃者からの知らせ、薬品の入っていた容器など、健康な人が急に意識障害、呼吸困難、吐き気、けいれんなどの症状を起こす、唇、
口の周りのただれや、吐く息の臭いなどから判断します。

〇 飲んだ薬品の容器に注意書きがあれば、その指示に従う。
〇 手当をしている間、医療機関や中毒110番に電話して、指示を受ける。
〇 医療機関に運ぶとき、薬品の容器や傷病者の吐いた物を持っていくようにする(証拠物となるものはすべて)
〇 意識が無いときは、軌道を確保し、吐いた物などがつまらないように、横向きに寝かせる。
   呼吸が止まっていたら人工呼吸を直ちに行うが、毒物の性質がわからない時には、器具を用いる人工呼吸がよい。
〇 意識があるときには、多量の水を飲ませて、毒を薄めて吐かせる。ただし、吐かせてはいけない場合もあるので、注意が必要である。
〇 灯油やガソリンなどの物質の場合は吐かせてはいけません。
 
 

食中毒

調理してから食するまでに時間のたった食物、生の食品が細菌で汚染されたりした、その細菌そのものや、最近の出す毒素が中毒の原因と
なります。
 

病原大腸菌
病原大腸菌とは、腸炎をおこす大腸菌です。腸管組織侵入性大腸菌、腸管病原性大腸菌、腸管毒素原性大腸菌、腸管凝集性大腸菌、
腸管出血性大腸菌の5種類があります。いずれも食品や飲料水から口を通って感染します。

腸管組織侵入性大腸菌
小学生以上の人に感染することが多く、赤痢菌に似ています。集団流行することがあり、わずかな量でも感染し、人から人へ直接感染
することもあります。

症状:  発熱、しぶり腹、血の混じった下痢便など。

予防法: 手や指を清潔にしておく。食材や調理器具はよく洗う。井戸水を生のまま飲まない。

腸管病原性大腸菌

乳幼児の胃腸炎をひきおこす細菌で、わずかな量でも感染します。ただし、小学生以上の人は、かなりの菌量がなければ感染しません。
人から人への直接感染はありません。

症状:急な発熱、下痢、腹痛など。

予防法:手や指を清潔にしておく。食材や調理器具はよく洗う。井戸水を生のまま飲まない。
     食肉は十分に加熱する。

腸管毒素性大腸菌

感染すると体内で毒素をつくる細菌で、わずかな量でも感染すると思われます。熱帯地域に多い下痢の原因菌で、海外旅行から帰国した
人たちに多い“旅行者下痢”をひきおこす菌としても知られています。人から人への直接感染はありません。

症状:  下痢、軽い腹痛など。発熱はありません。

予防法:  手や指を清潔にしておく。井戸水は生のまま飲まない。特に海外旅行中は生ものを食べない。

腸管凝集性大腸菌

主として熱帯、亜熱帯地域で発生する、子どもなどの下痢の原因菌です。わが国では、この菌の分離報告はほとんどありません。

腸管出血性大腸菌  O157

猛毒の「ベロ毒素」
O157には「ベロ毒素」という強力な毒素をつくり出す性質があります。
このベロ毒素は、体内に侵入すると大腸をただれさせ、血管壁を破壊して出血をおこします。
そして腎臓に障害を与え、脳や神経にも作用して、発病してから短期間で生命を奪うこともあります。

症状:  尿毒症や意識障害をおこすことも
            まず激しい腹痛がおこり、下痢をくりかえし、血の混じった下痢便が出
             るようになります。胃かいようなどの血便は黒ずんで見えますが、この
             血便は真っ赤な鮮血です。ときには腎臓に害がおよんで尿が出にくく
             なり、体がむくむようになります。
             さらにひどくなると尿毒症になり、強いケイレンや意識障害をひきおこす
             こともあります。

予防法
            【感染を防ぐために】
            ・帰宅時、調理前、食事前などには十分に手を洗う。
            ・食肉を扱った容器、包丁、まな板は熱湯で殺菌する。
            ・生肉、生レバーを食べない。
            ・食材はよく洗い、十分に加熱する(75℃・1分以上)。
            ・生ものは早めに調理する。
            ・まな板、包丁、ふきんなどは食材ごとに使いわけ、よく洗う。
            ・調理後は早めに食べる。
            ・井戸水は生のまま飲まない。
            ・低温でも生き続けるので、冷蔵庫に入れたことで安心しない。

  【もしも感染したら】
            ・すぐに医師の診察を受け、指示に従う。
            ・感染者の便は、ゴム手袋を使うなど、衛生的に処理する。
            ・あやまって便に触れたときは、70%アルコール液などで消毒し、水で
             よく洗い流す。
            ・感染者の便がついた衣服は薬剤を用いて消毒し、家族のものとは別
             に洗濯した後、天日でよく乾かす。
            ・感染者は入浴をさける。
 

サルモネラ

もともと自然界に広く分布し、牛・豚・鶏などの家畜・家禽、犬や猫などのペットも保有しています。一般に1g中に10,000個以上の菌が
増殖した食品を食べると感染し、急性胃腸炎をおこします。しかし、幼児や高齢者はわずかな菌量でも感染します。
牛・豚・鶏などの食肉、卵などが主な原因食品です。特に近年では鶏卵のサルモネラ汚染率が増加し、卵内にも菌が認められることが
あるので注意が必要です。
これまでに、卵焼きやオムレツ、手作りケーキやマヨネーズなどからもサルモネラ食中毒がおこっています。また、ペットからの感染も要
注意です。

症状: 喫食後、半日から2日後までに吐き気やへそ周辺の腹痛がおこります。この後、水のような便や軟らかい便が出て、38℃前後
まで発熱し、下痢をくりかえします。このような症状は1日から4日ほど続きますが、ほとんどの場合は点滴や抗生物質などで治ります。
カゼと症状がよく似ていますので注意してください。

予防法:食肉や卵などは十分に加熱する。
            まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い熱湯や漂白剤で殺菌する。
            調理後は、早めに食べる。
           長期間の保存は避ける。
           ペットにふれた後は、よく手を洗う。

腸炎ビブリオ

細菌性食中毒の中で、最近までもっとも発生件数の多かったものが腸炎ビブリオによる食中毒です。この細菌は海水や海中の泥に潜み、
夏になると集中的に発生します。
ただし、熱に弱く、100℃では数分で死滅し、5℃以下ではほとんど増殖しないという性質があります。
 

汚染の出発点は魚介類などの海産物です。夏になると、近海産のアジやサバ・タコやイカ、赤貝などの内臓やエラなどに付着しています。
これらを生食用のさしみにするとき、さしみに移って感染します。
また、魚介類に付着した腸炎ビブリオが、冷蔵庫の中やまな板などを通じて他の食品を汚染し、その食品から食中毒をおこすこともあります。

症状:喫食後、10〜24時間後に激しい腹痛と下痢がおこります。特に腹痛はさしこむような激痛で、猛烈な苦しさを伴います。
また、激しい下痢がなんども続くため、脱水症状をおこすこともあります。発熱はあまりなく、ほとんどは抗生物質の投与などで2〜3日で
回復します。ただし、水のような便が正常に戻るまでには1週間くらいかかります。

予防法:魚介類はできるだけ加熱して食べる。
     調理直前まで、冷蔵庫で5度以下で保存する。
     調理したさしみは、できるだけ早く食べる。
     調理の際は、魚介類を真水でよく洗う。
 

ブドウ球菌

ブドウ球菌は自然界に広く分布しており、健康な人の皮膚やのどなどにもいます。しかし、この細菌が食中毒をおこすのは、汚染された
食品の中で毒素をつくるときだけです。ただし、いろいろな食品の中で増殖し、毒素は熱や乾燥にも強いという性質があるので、
十分な注意が必要です。

ブドウ球菌による食中毒は、おにぎりや弁当、サンドイッチやケーキなど、さまざまな食品が原因となります。ほとんどの場合、菌が調理
する人の手から伝わって食品に取り込まれます。特に、調理する人の手や指に傷や湿疹があったり、傷口が化膿しているような場合は、
食品を汚染する確率が高くなります。
 

症状:喫食後、およそ3時間以内に吐き気や激しい嘔吐がおこります。腹痛や下痢も伴いますが、38℃以上の高熱になることはあまり
ありません。ほとんどが24時間以内に回復しますが、脱水症状になると点滴などが必要になります。

予防法:手や指に傷のある人は直接調理に携わらない。
     食品を室温で長時間放置しない。

カンピロバクター

最近になって発生件数が増え、注目されている食中毒菌です。ふだんは鶏や牛などの腸に住み、食品や飲料水を通して感染します。
少量で感染し、人から人へ直接感染したり、ペットから接触感染する例もあります。

生の鶏肉や牛肉が感染源となることが多く、生乳などの畜産品や飲料水などから見つかった例もあります。
また、犬や猫などのペット、ネズミなども保菌しているため、これらから感染することもあります。

症状:感染から発症するまで2〜7日かかります。まず、発熱、けん怠感、頭痛、めまい、筋肉痛がおこり、次に吐き気や腹痛におそわれます。
その後、数時間から2日後までに下痢がおこり、水のような便が出ます。1日の下痢回数は2〜6回くらいで、ときには10回以上におよぶこともあります。

予防法:食肉などは十分に加熱する。

ボツリヌス菌

ボツリヌス菌は土壌に広く分布していて、海や湖の泥の中にもいます。びん詰、缶詰、真空包装食品など、酸素が含まれない食品中で増殖し、強い毒素をつくります。芽胞は特殊な構造をしているため長時間煮沸しても死なず、致死率の高い恐ろしい細菌として知られています。

自家製の海産物や、保存状態の悪いびん詰などから感染します。海外みやげの真空パックされた魚のくん製や、酢漬け、塩漬けなどは特に注意が必要です。また、長期間流通する食品が原因となることもあります。これまでに発生した例では、いずし、自家製の野菜や果物の缶詰、輸入したキャビア、自家製の魚のくん製、からしレンコン、ソフトチーズなどがあります。

症状:感染してからおよそ8〜36時間後に、吐き気、嘔吐、便秘などがおこります。特徴的なのは、脱力感、けん怠感、めまいを感じることです。症状が進むと、物が二重に見えたり、まぶたが下がったり、言葉が出にくくなります。ときには、尿が出なくなったり、歩くこともできなくなります。発熱はなく、意識もしっかりしていますが、治療が遅れると呼吸困難などをひきおこして死亡します。

予防法:新鮮な材料を使用する。

ウエルシュ菌

もともと自然界に広く分布し、土や水中、健康な人の便の中などにいます。特に牛、鶏、魚の保菌率が高く、食肉や魚介類の加熱調理食品が原因になりやすいといえます。学校給食などのように、集団発生するケースが多い食中毒菌です。
肉類や魚介類を使ったたんぱく食品が原因となります。肉の揚げ物などを常温で放置しておくとウエルシュ菌はどんどん増殖します。
スープ、カレー、肉汁などには注意が必要です。

症状:喫食後、平均12時間で下痢がはじまり、水のような便が出ます。下痢は1日2〜5回おこりますが、腹痛はあまり重くありません。
ときには嘔吐を伴うこともありますが、1〜2日で回復するケースがほとんどです。

予防法:スープなどを調理するときは、できるだけよくかきまわす。
     保存するときは、なるべく浅めのようきにする。

セレウス菌

河川、土の中など、自然界に広く分布しています。ふだんは芽胞といわれる植物の種子のような形をしていて、適当な栄養や温度が与えられると発芽します。食べた後の残り物などを好み、さまざまな食品から感染します。

米や小麦などの農作物を原料とする食品が主な感染源です。原因食品は焼飯、スパゲッティー、ピラフ、焼きそばなどです。嘔吐型は主に米飯から、下痢型は主に食肉製品やスープなどから感染します。米飯やスパゲッティーでは増殖しやすいので、十分な注意が必要です。

症状:嘔吐型の場合は、感染後1〜5時間で激しい吐き気をもよおし、嘔吐をくりかえします。下痢型の場合は、感染後8〜16時間で吐き気をもよおし、下痢が続きます。

予防法:大量に作った炒飯やスパゲティを翌日に再調理することは、避ける。
 

熱中症

長時間炎天下で作業したり、夏の体育館などむしむしした環境の下で体温調整の障害によって体温が上がって起こります。
発生の経緯によって日射病、熱射病にわけられたり、症状によって熱疲労、熱痙攣と表現します。

● 日射病
炎天下にさらされたり、直射日光下で作業、運動をしたときなどに起こる。
● 熱射病
直射日光以外の環境(体育館など)で長時間の作業、運動をしているときにおこる。
● 熱疲労
特に蒸し暑いところで、汗をひどくかいて働いたり、風通しの悪いところで多人数が集まっている時などにおこりやすい。頭痛、めまいなどが見
られ、意識がなくなることがある。
● 熱痙攣
体温上昇、水分、塩分の消失によって、一部の筋肉、あるいは全身の痙攣を起こす。重症の場合には死亡する時がある。

手当

○ 風通しのよい暑くないところに運び、衣服を緩め、水平位、または上半身を高くした体位で寝かせる。顔面が蒼白の時には足のほうを高く
する。
○ 意識があり、痙攣などがなければ、冷たい水や薄い食塩水(生理食塩水程度)を飲ませる。スポーツドリンク可。
○ 熱がなく、皮膚が冷たい場合は冷やさない。
○ 体温が高い時には全身を冷たい水で拭いたりする。
○ 医療機関へ!